黷ヘ信用し得るそうです。
富雄さんは広島へ帰るのをいそいでいるが、伯母さんや冨美子はこっちの整理つき次第広島にうつるでしょう。克子は大阪の、こっちのお母さんの従弟とかの家にここ三四年行って働いて居り、又そこにかえりそこから結婚の心配もして貰う方針です。多賀子は未定ですがここに手つだってやはり身の振方をつけていただく方がよいかと考えます。お母さんもそのお考えで、冨美子は出来るから師範に入れるプランであった。それはその方がよい。富雄の生活は確実性がないから。未だ申しませんが、伯父さんの御厚情を考えて、私たちは冨美子の学資を何とか助けてやりたいと思って居ります。たとえ少々でも。貴方も御賛成でしょう。十四日にあっちの若い人々が来ます。又いろいろ話しましょう。そして、私は十五日に立ちたいと思って居ります。
父上はずっと平静でいらっしゃるから御安心下さい。尿も血がなくなり量も殖えましたから。
四月十四日 〔市ヶ谷刑務所の顕治宛 山口県島田より(封書)〕
四月十三日 島田。
さっき書いた手紙を出して貰い、寝台券をとって貰いました。十五日に立つことに決定しました。
昨夕は御葬式がすん
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