東京に来て、しかも刺戟を与える人々の顔を期待して来ていながら。まだただのおかみさんと画家とが分裂している。渾然《こんぜん》一つになっていない。心で一生懸命で手がまだ怠けている。こういう状態を多くの女の芸術家が経ているし、男も70[#「70」は縦中横]%まではこれで一生を終るのね。
若い女のための本をいろいろ考えていて、私に体がもう一つあったら、本当にいい味と力と鼓舞のこもった女のための本を極めて綜合的な内容で書きたいとさえ思いました。すべてが切りはなされていて婦人問題、医学の問題、法律の問題、ばらばらである。それが一人の女の日常生活のすべての部分にとけこんでいる。一人一人の女が、自分から世の中に働きかける可能をもっている。そういうことを感情から分らせてゆく本が一つもないというのは何たることでしょう。世の中に本は溢れているが、こういうクサビのような本はかかれていない。
笠間さんの随筆は面白うございましたか、第一のを数行一寸見たが、何だか目があらい。
シャルル・フィリップの「ビュビュ・ド・モンパルナス」(これはお手紙で下らなさがわかった)をふとよみかえして、ここに描かれているパリの下
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