サれを届けて、国男寿江と落合って、市ヶ谷へ行って夜具をとって来ました。ひどくなりましたね。あなたの御病気との悪戦苦闘を何だか感じるようでした。この次は、ああいう厚ぼったいのでない方が却っていいのではないかしら、綿が切れないで。いずれ又それは御相談いたしますが。
 そちらはきっと当分いろいろ落付かないでしょうね。中川にははり出しが出て居りました。それでも何だかどんなところかしらという気がして居ります。今の予定では十日頃まで大変いそがしいからそれがすんで、そちらもお落付になった頃――二十日頃お目にかかりに出るつもりです。この間は、おそくなって差いれが出来ませんでしたから明後日ごろさし入れだけにでもゆくつもりです。もし都合がついたらお目にもかかりますが。――
 お体はいかがですか。今年の梅雨は早い。私は徹夜廃止の励行で大分よいらしい様子です。※[#「くさかんむり/意」、第3水準1−91−30]苡仁《ヨクイニン》もききます。二日ばかり前お母様からお手紙で、お父上の御様子がましになったお話しです。何よりです。食事もお進みになる由。野原の家は整理までずっと住んでいらっしゃることになり、おせむさんの
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