重ねましたから。『新潮』は新年号に十五枚ぐらいの小説を十五人ぐらいにかかせているが、批評によると、短篇アンサンブルとしての効果なし。稲ちゃんも大変スタイルに留意して試みている。矢田津世子が書き、たい子がかいている。俊子さんの第三部は(第二世の小説)『改造』二月に出るでしょう。俊子さんにしろ彌生子さんにしろ、女の作家が年齢に比べて若いということ(作品において、主題において)、このことは、よしあしがあるが、一面には永久に求めざるを得ないものを女が正直に追求していることによって若いとも考えられ、なかなか興味があります。一昨日「含蓄ある歳月」という七枚ばかりの彌生子感想を『帝大新聞』にかきました。私は一月中に評伝を完結して、四月頃つづきを発表します。盲腸は切りません。きらぬ方がよい由。私、もしかしたら盲腸ぐらいもっていてアラームベルの役をさせた方がいいかもしれない、夜更しをするとジリジリ! たべすぎそうになるとジリジリ! 仕事のときは、但シベルがなり出したら、あなたの目ざましのように足の方へ蹴込んでしまう? まさかね。
明後日ごろお目にかかりにゆきたいと思って居ります。『プーシュキン全集』は
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