対して作家はどう戦うべきか。この問題である。
これはソヴェト同盟にとって謂わば歴史的な課題といえる。今日にはじまったことではない。一九一七年十月、革命の第一の銃声が轟いた、その瞬間から、今日まで持続している問題だ。その頃は、コルニーロフの反革命軍や、チェッコ・スロヴァキアの反革命軍が、南方ロシアを掠めようとした。アメリカと日本とがシベリアで帝国主義の利益のための火事場どろぼうをやろうとした。ソヴェト同盟の勤労階級は西から東からおそいかかって来る反革命軍を追っぱらった。
が、列国の陰謀は、これではすまなかった。
一九二一年に起ったクロンシュタットの赤色海軍兵の局部的な暴動は、ソヴェト同盟国内戦後の饑饉救援という名目でアメリカから、妙な連中が入り込んだ。アメリカ毛布、アメリカ製ビスケットにかこつけたからくりが、この暴動の種であったということを今日知らぬ労働者はない。
五ヵ年計画まではソヴェト唯一の炭坑区だったドンバスで、一九二八年大陰謀が発覚した。一九三五年になるとドンバスからは一塊の石炭さえ産出しないように技術的な破壊が企てられていた。それは誰の仕業であったろうか? ドンバスに外
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