よって占められている。農業における社会主義生産が高められ工業との階級的結合が行われなければ、全体として生産経済の運転の社会主義化は実現されない。
 光輝ある「十月」ソヴェト政権の確立とともに、ロシアの農民ははじめて土地を自分のものとした。
   ┌───────┐
   │土地を農民へ!│
   └───────┘
 この歴史的なスローガンは、一九一七年の二月革命の当時、ケレンスキーの臨時政府も一応はかかげた。ともかく、それによって革命的な農民の支持を得なければ政府は一日の安きをも得ない情勢であった。が、ケレンスキーのブルジョア民主主義者らしい日和見戦術で、半封建的であると共に資本主義の土地関係を根本から建て直しが敢行され得るかのように想像したのが間違いであった。臨時政府はツァーの絶対制を立憲政治へこぎつけるまでがせいぜいで、失業と飢との間から、労働者、農民は、真に彼等の生きようとする要求を理解し、組織し、実践する党はどこにあるか。それを理解しはじめた。
 ブルジョア民主主義者に苦々しい背負投げをくわされたロシアの大衆は、今度は臨時政府を投げ倒し、プロレタリア階級の党、ロシア共産党(ボ
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