ならない。
公的な、人民的社会的なものを、偽りなく公的な本質におくこと、そして、私的なものは、その社会福祉の真に公的なもののために必要な抑制を蒙ること。この自明の道理こそ、民主の基本であると思う。わたしたちは、社会の公器が公器であることを欲する。公的な社会諸問題が、前進する日本の公的観点に立って、公的に処置されることを求める。日本人民の解放は、社会的な公私の逆立ちという、不自然な状態の排除から出発すると云っても、云いすぎではないであろう。
[#地付き]〔一九四六年二・三月〕
底本:「宮本百合子全集 第十六巻」新日本出版社
1980(昭和55)年6月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十二巻」河出書房
1952(昭和27)年1月発行
初出:「文芸春秋」
1946(昭和21)年2・3月合併号
入力:柴田卓治
校正:磐余彦
2003年9月14日作成
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