ンズ氏に対して日本人として鈴木文史朗氏が出席している、肩書はリーダーズ・ダイジェスト日本版編集長とある。座談会はロイヤル長官の談話そのほかいくつかのトピックで進められているが「切迫せる人口問題」のくだりで、鈴木文史朗氏はいっている。一年に百万ずつもふえている日本の人口問題の解決法がゆきづまっている。「理想的なやりかたは[#「理想的なやりかたは」に傍点]、ひと思いに何千万を殺すか[#「ひと思いに何千万を殺すか」に傍点]、自殺かだ[#「自殺かだ」に傍点]。」パロット氏「そんなことは出来ない。産児制限と国の工業化が解決の一助だろう」。重ねて鈴木文史朗は「大家族をもっている月給取りは子供の少い上役より月収が多い。これは一面子供多産の奨励のようなものだ」といっているのである。読売新聞の時評(美濃口時次郎)はいち早くこの卓見[#「卓見」に傍点]に同調して、労働者に家族手当を出すので子供を生む。家族手当をやめよ、賃銀を労働者一人の能率払いにせよ、と書いている。(五月九日)
『中央公論』は、仄聞するところによると十万の出版部数をもっているそうだ。『中央公論』をよむ人はまたリーダーズ・ダイジェストもよん
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