うおしたのえ。
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と云うなり手をとって土間を歩かせ大急ぎで床を取ってやすませた。
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「ま、ほんにどうおしたのえ、
 ころびやはったんか。
「何か踏み返してころぶ拍子に強く亀の尾を打ったらしい。
「亀の尾は、悪所やさかい。
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と云って居る間にも痛みと熱は次第に高まって行った。お節は額と打ち身の所に濡れ手拭をのせて足をさすったり、手を撫でたりして居たが、手にさえ感じられる熱の高さにびっくりして医者を迎えに行ってもらうために、一番近い家まで裾をからげて走って行った。そこの若い者に用向を話すとすぐ、年を取った女と思えない早さで我家に走り帰った。
 小一時間たってから使の若者は医者を連れて来た。立居振舞が如何にも大風で、鳥なき里のこうもりの人望を一身に集めて居る医者は、ゆっくりゆっくり、亀の尾を打った拍子にひどく脳に響いて熱が出たのだからそう大した事はないと云って下熱剤を置いて行ってしまった。
 火の玉の様になった栄蔵のわきで手拭を代える事を怠らずに、お節は二夜、まんじりともしなかった。
 四日五日と熱は一分位ずつ下って、十日
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