ういうものであるのだろうか。
それを思うたびに、心に一つのおどろきが深まるように思うのは、女の真心、母の真心というテーマで描かれている傑作映画は、たとえば古く「ステラダラス」にしろ、ポーラ・ネグリがいかにも女優としての力量を示した「マズルカ」にしろ、実にその多くが、母の悲しい犠牲にたたされていることである。女の生活のそういう悲しみ、諦めの面にふれて来ると、西洋の社会でも日本の社会でも、ちがいは殆んどないように見え、女の心の発露に対してもきめられている生活条件の方向が感じられるのである。[#地付き]〔一九三九年七月〕
底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社
1979(昭和54)年7月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「女靴の跡」高島屋出版部
1948(昭和23)年2月発行
初出:「中央公論」
1939(昭和14)年7月号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年5月26日作成
青空文庫作成ファイル:
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