す。
  羽仁その他の人には話せば分ります。
  原田さんは初めはその希望でした由(私は欠席したけれども)
○恐縮ですが、この間の全日本婦人大会の模様かいつまんでノート下さいまし、これからのやりかたのために。
[#ここで字下げ終わり]

 六月七日
 次の婦人部会への議案
一、婦人部員の再編成について。
 宮本百合子は出席がわるくてすまないと思います。只今もっている仕事は左の通り。
 (一)[#「(一)」は縦中横]文化部員
 (一)[#「(一)」は縦中横]新日本文学会
 (一)[#「(一)」は縦中横]放送委員会
 (一)[#「(一)」は縦中横]出版協会文化委員
 (一)[#「(一)」は縦中横]働く婦人編輯
 (一)[#「(一)」は縦中横]日ソ文化レンラク協会
 (一)[#「(一)」は縦中横]著作家組合
 (一)[#「(一)」は縦中横]日米レンラク協会。
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 どうか御察し下さい。
 右のうち整理出来るものは整理して居りますが、大体組織が出来かかり、或は出来たばかりで、或は放送委員会のように悪質な条件で、目下すぐどけません。
 婦人部会へは、これらの様々の仕事から反映して来る諸問題をとりあげて頂きたいと思うし、婦人部として私のつかい道はその点にあると思います。その点についてどういう繋りかたにして 婦人部で私を活用して下さるか 御協議下さい。婦人部として一番有効な形を考え出して頂けたら幸です。
[#ここで字下げ終わり]

 文部省婦人教育委員会の経過
一、前回五月下旬欠席しましたが、打合わせた通り左記のように局長あて意見出しました。
[#ここから1字下げ、折り返して2字下げ]
※[#丸A大文字、626−11]大日本婦人会の完全な解消と基金百万円の処置の公表
※[#丸B大文字、626−12]地方の社会教育局の構成の民主化
※[#丸C大文字、626−13]文部省自身組織するどんな婦人組織も不用。もし真に婦人を助けるつもりならば右二つを実行してあとは婦人の自発性にゆだねること
  この日、ミス・ウィードが松岡洋子を通ヤクとして出席。アメリカ流のクラブの組織について話し、御婦人連興味をもった由。
○目下その「クラブのつくりかた」のパンフレットほんやく中。出来上ったのを加藤しづえが書きなおし、来週月曜日ごろまでに届けるでしょうミス・ウィードに。その後又文部省の会合がありましょう
○ミス・ウィードは、私がそのクラブのようなものの提案をするようにということですが 私は絶対にことわりました、わたしはどんな場合にでも保守政府、文部省のギマンのカンバンにはならないから、と云って。ガントレット恒子 松岡、或は加藤しづえが提案するでしょう もし私がこの次出席すれば、質問の形でどこまでも文部省の介在をふせぐという役割をうけもちました。
○この次は出席しても、あとは、わたしの代りとして、大町米子さんをスイセンしたいと思います。大町米子さんは女の人たちが一般的に好意をもっていて仕事をなさりいいでしょうと思います。実現するかしないか分りませんが。大町さんとしても直接触れていらっしゃる方が簡単でいいでしょう。
○生活保護法
 寡婦年金(もっと広汎なものですが、名がわかりませんから仮称)
 厚生省で今回の議会に生活保護法案を出し 五人一ヵ月二百五十二円程度の救サイをするという案を出します。
  加藤しづえは、ヘッドコーターへ行って、こんな貧弱な法律はひどいから、もうすこしましにしろと云ったところ、では厚生省に、そのための委員会を催すよう、サジェストすると云ったがちっとも召集して来ない。ので、きのう厚生省へ行ったら、あなたの方で、どうかやれるならねがいます、とのことだったそうで、自分が中心になって人を集め 生活ホゴ法を改善した年金法のようなものを提出したい由です。
(一)[#「(一)」は縦中横]生活ホゴ法について、党はどういう態度をとりますか
(二)[#「(二)」は縦中横]加藤しづえのその委員会には 大町米子 柄沢とし子が加っています
(三)[#「(三)」は縦中横]党でとり上げるにしろ、イニシアは加藤が自分でとったものと感じていることを十分念頭におく必要があるでしょう。
  きのうも「共産党の婦人部がどう思ったってかまわないけれども云々」という風に云っていました。つまりあの党の本質上、決して、心から提携する感情はないのですから、自分のイニシアをよこからさらわれた形になったらよくないでしょう(これは、もし党がこの年金法をとり上げる場合のやりかたについて、大町さんその他皆さんが、十分お含みおき下さった方がいいと思って。いきなり、そんなことは加藤なんかがやるべきことではない 党でとりあげるべきだ、と云う見解もおこり得ますから。現実には、しかし、もうあのひ
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