おしゃれし 同性の 男性に対する同伴者となるようなもの
└ 津田敏子と娘のようなの 本当の母娘関係少し。
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京言葉
「なあ、へ ×はん」
「あんたはん、お見いしまへんのか」
「あほくさ!」
「けったいな人」
「知らん」
「おおきに」
「そうどすか」
「私《うち》、知らん」
「そらあてかて 知ったるさかい」
「知らん、云わはるやないか」
「どす がな」
「ふーむ、そか?」
「えげつない奴《やっ》ちゃな」
「とでも云えばええが」
「もっさりしとる」
「よう 肥えてやはりますな」
胴間声
「今日《コンチ》は、御用はありませんか トウフヤが来ました、アウーイ エー アウーイ」
外事掛
太った男
紺ベルトのついた外套
「あすこでは これやって居たんですよ」
両手でピアノ弾くようにする タイプライターのことなり
「本の宣伝に来たとは思いませんが、得手が分らないんでね」
三月十三日の雪
もう芽ぐんだ桜の枝やザクロの枝を押しつけて、柔い雪が厚くつもった。
床の間には桃が活けてある。
竹をすべって雪の散る音を、おせんはたのしい落付いた心持できいた。
三沢の話
何とかコーセン和尚あり、有名
或僧、出かけて
「久しくコーセン和尚の高名をきく、麦コーセンか、米コーセンか」
「味って見ろ」
「喝!」
「むせたか、むせたか」
雪のあくる日 三月十三日頃
雪ぶつけ
朗らかな大騒動
女 私着物かりてかえるわ
男 そのまんまおかえりなさいよ
若い女 いやァいやいや
底本:「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社
1981(昭和56)年5月30日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第2版第1刷発行
初出:「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社
1981(昭和56)年5月30日初版発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
※複数行にかかる波括弧には、けい線素片をあてました。
※本文の傍点は、「ヽ」(片仮名繰返し記号、1−19)で入力しました。
※「ジ[#「ジ」に傍点]ョちゃん」「ジョ[#「ョ」に傍点]ーちゃん」「音《おと[#「と」に傍点]》」「|違い《チ[#「チ」に傍点]ガエ》ない」
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