一、パオリの幸福

     父娘の散策

 人のよい気の小さい若い好奇心のある父、(田舎からでもよい)
 娘、タイピストか何か、始めて自分の小使[#「使」に「ママ」の注記]を父のために使う その心持、
 娘、あの職業婦人タイプ

     武藤のこと

 彼女の体
 眼つき
 押しのつよさ
 独占慾
 子供や同輩を皆手下あつかいにする。淋しさから来るそういう癖。

     老貴婦人のお相手の若い女の哀れさ

 ○老婦人の趣味で着物をきる。
 ○絶間ない我ままと小言
  (悪意のない、然し勝手な、例、)
「さあ、一寸これをよんでおくれ、まあ何て下らないんだろう、すぐピーターに御礼を云ってかえして下さい、――おや、お前さん、まだ着かえがすまないの、仕様のない人だこと、いつでも私はまたされる うんざりですよ my dear.」
「今日のお天気はどう?」
「よろしゅうございます」
「そうじゃあないだろう、風が出たらしいじゃあないか、窓をあけて御覧 ホラ、もう出かけるのはおやめですよ、大層おめかしが出来たね」

 In society, she played the most pitiab
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