は、現代の共通な制約とたたかって育たなければならないのであるけれども、文学と演劇とではその困難の独自性があります。文学の仕事が現実の過程では作家一人によってされるということから来る個人的傾向のマイナスな点が一つの困難であり、演劇ではそれが常に集団的であり、しかもその集団を動かす人が必要であるということから、独特な強みと制約が生じています。集団の気分的なもので内部の日々は過ぎてゆくこともあり、同時に一方では、批評についても、上に立つだけの、生れつきの頭のいい人が書くべしだ(永田)という、文学の領域にはない考え方が生じていることなど、実に注目されるべきではないでしょうか。
日頃芝居のことについて不勉強である者が、遠慮のないもの言いをすることを恐縮に思いますが、以上のことは最近私の心に深く訴えとなってあるので忌憚ない披瀝をいたしました。
[#地付き]〔一九三七年四月〕
底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社
1979(昭和54)年7月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第九巻」河出書房
1952(昭和27)年8月発行
初出:「テアトロ」
1937(昭和12)年4月号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年5月26日作成
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