。二三人地面へつばした。
みんな、何ということなししばらくそこにだまって立っていた。やがてそろそろ散りはじめた。
ピムキンは托児所の入口の段に腰かけ、ニーナの足許で頭かかえている。ペーチャはうんと永い間黙って歩いて、集団農場の乾草小舎のよこまで来たときニキータにくっついて小さい声でいった。
――ニキータ……いつか夜、ピムキン、トラクターへわるさしに来ていたんでは無えかったんだなあ。
――うん。
青年共産主義同盟員《コムソモーレツ》ニキータは、考えこんだ顔で、立ったまんま人蔘色の前髪をひっぱってたが、やがて、
――よし、と!
元気になってペーチャにいった。
――さあ来い! もう一っ働き、やっぺ!
カン!
カンコ!
カン!
カンコ!
夏空は、燃えたって揺れもしない青い焔だ。花盛りのひまわりの根っこへ木《こ》っぱをとばしながらペーチャとニキータが、材木へチョウナをぶっこんだ。
ペーチャは裸だ。裸の首へピオニェールの赤襟飾をちょいと結んでいる――
底本:「宮本百合子全集 第四巻」新日本出版社
1979(昭和54)年9月20日初版発行
1986(昭和
前へ
次へ
全39ページ中38ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング