ジイドとそのソヴェト旅行記
宮本百合子
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)明《あきらか》に
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)独立|不羈《ふき》を護ろうとする、
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)自分の真理[#「自分の真理」に傍点]を主張した。
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『中央公論』の新年号に、アンドレ・ジイドのソヴェト旅行記(小松清氏訳)がのっている。未完結のものであるが、あの一文に注目をひかれ、読後、様々の感想を覚えた読者は恐らく私一人にとどまらなかったであろうと思う。
間もなく、去る一月六日から四日間、『報知新聞』の学芸欄に「ジイドの笑いと涙」という題で、『プラウダ』が社説として発表したジイドのソヴェト旅行記批判が、山村房次氏によって訳載された。
その文章は何月何日の『プラウダ』に出たものであったのか、執筆者の署名があったのか無かったのか、完訳であるのか抄訳であるのかそれ等の点については、説明されていない。
ジイドの旅行記と『プラウダ』の批評とは、その性質上、対立的なものとして我々の前に現れているのである。今日の如き
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