組合との決定した線にそうて新らしい脚本は選ばれている。
 ピオニェールの挨拶は何という言葉か?
「用意はいいぞ!」
 常に、用意はいいぞ!
 ソヴェト芸術の合言葉はこれである。
 大衆の社会主義達成、世界のプロレタリア革命に向って常に、用意しているのだ。
 メーデーに赤い広場の歴史的首切り台に飾られた労働者の大群像は祭の後にモスクワ河の河岸にある「文化と休養の公園」の丘の上へ移された。
 河岸には職業組合の設けた水浴場がある。
 青葉の下の飛び込み台から身をおどらし、若い女が水へ飛び込む。サッとたつ水煙。
 さわやかな河風に労働者の群像が捧げている数条の赤旗は、小高い丘の上でいきいきとひるがえった。[#地付き]〔一九三一年五月〕



底本:「宮本百合子全集 第九巻」新日本出版社
   1980(昭和55)年9月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
底本の親本「宮本百合子全集 第六巻」河出書房
   1952(昭和27)年12月発行
初出:「ナップ」
   1931(昭和6)年5月号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2002年10月28日作成
青空文庫作成ファイル:
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