。十九年前、大赦でカプリからゴーリキイがロシアに帰る時、レーニンはこういう手紙を彼に送った。「ロシア(新しいロシア)を巡遊し得るということは一人の革命的作家に――ロマノフ会社に対して一つの有能な打撃を与えるための百倍もよりよき機会を提供する……」と。
 ソヴェト同盟へゴーリキイは帰って来た。今こそどんな手紙が、全世界にあってレーニンの示した社会発展の方向に向って生きる大衆から彼に送らるべきであろうか!
 ゴーリキイは、ますます豊富なソヴェト同盟の社会的経験と可能性によって、ますます大なるプロレタリア文学の達成に進みつつある。彼は全ソヴェト作家団の再組織に関する委員会の指導者であると同時に、最近、卓越した一つの戯曲を執筆したという報道がある。[#地付き]〔一九三三年十月〕



底本:「宮本百合子全集 第十巻」新日本出版社
   1980(昭和55)年12月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第八巻」河出書房
   1952(昭和27)年10月発行
初出:「婦人公論」
   1933(昭和8)年10月号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年1月16日作成
青空文庫作成ファイル:
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