げられるようになった。ソヴェトで、あらゆる生産は計画生産だ。そこにこそ、社会主義的生産の光輝がある。
プロレタリア文学が、ソヴェトの生産経済計画《プロフィンプラン》と緊密に結合したと云っても、主としてそれは作品の主題、内容に表現されるだけだ。文学的生産は、やっぱり個人個人勝手に、すきな時、自分が発見した材料によって互に何の連絡も統制もなく書かれているだけだ。職業組合は産業別に組織されている。作家はそういう産業別の組織もない。果して、これが、社会主義国の文学的生産形態として正しいものだろうか。これは、複雑な問題をふくむ提議だ。提案は研究され、生産場面との結合は大切であるが作家を産業別にグループわけすることは、文学活動を固定させる危険があるから適当でないと結論された。ソヴェト作家はこの時期に別に一つの意義ある進歩をした。プロレタリア文学戦線の、赤軍・赤艦隊への拡大だ。
セラフィモウィッチ、スルコフなどが主となって研究委員会が「赤軍中央会館」で行われた。一九三〇年初秋のことだ。
ソヴェトが、帝国主義に包囲されているという国際的地位からみて、当然、もっと早く作家の問題となるべきことだった
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