う同等の[#「同等の」に傍点]焦点が性にだけ集中されているのだから。ベズィメンスキーの極左機械主義にまけずプロレタリア・リアリズムの本質をゆがめている。
ソヴェト大衆が盛に「英雄の誕生」について議論し、「射撃」でやっつけられたベズィメンスキーが、今度は逆に、リベディンスキーとその前進性のない心理穿鑿主義をやっつけている四月に、「ラップ」に加盟したばかりだった「革命戦線《レフ》」の詩人マヤコフスキーが自殺した。
マヤコフスキーは精力的な、熱い、革命の歌いて、詩人だった。彼は前進するソヴェトの社会主義建設の歌いてとして、いつも最前線にいることを欲した。だから、自分が主として組織していた「左翼戦線《レフ》」を、「革命戦線《レフ》」と改めた。再建設期のソヴェトの文学運動において当然指導的な任務をおびる「ラップ」へも加盟した。マヤコフスキーが、詩人として天性の言葉に対する敏感さ、大胆な使用法を敢行する技術を身にそなえているにかかわらず自殺したのは、根本において、ソヴェトの根づよい、建設的なリアリズムが、彼の、詩的英雄主義[#「詩的英雄主義」に傍点]を揚棄したことを意味する。マヤコフスキーの死
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