も早く農業生産に従事するプロレタリアートとしてのイディオロギーを把握し、理性のあきらかな階級人として成長しなければならないことを、あまりよく理解しない。農民作家の任務は農民的文学の過渡的な形式や手法を併用しつつ、都会のプロレタリアートと階級的な立場に於ける、相互の利害で協力しあう単一な「結合」への自発性《イニシアチーヴ》を刺戟しなければならない。
 農民作家は人民解放の全線の推進力としての農民を見、農民を発展性において扱うべきなのだ。
 農民作家が、ソヴェト農民の特殊性にとらわれすぎて、どこかで、誤謬を犯している実例は、面白いところに現れている。現在までに、ソヴェトの農村に取材したいい作品を発表しているのは、農民作家ではなく、かえってプロレタリア作家だという事実だ。この事実は雄弁にわれわれに告げる。既に現代、ソヴェト農民の特殊性は、風がわりな婚礼の儀式や、民謡、服装、言葉づかい、または懐疑的であると同時に大胆不敵で執拗な、そして時によって狡い、所謂ロシアの百姓気質[#「百姓気質」に傍点]にあるのではない。それ等が一《ひと》まとまりになりつつ、農民から農業労働者にかわろうとする、その歴史
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