ソヴェト映画物語
――「新女性線」(ソユーズ・キノ文化映画部作品)――
宮本百合子
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七巻の美しい立派な映画は、ソヴェト同盟が、世界じゅうのあらゆる婦人のために、婦人の幸福とそれはどうして守られなければならないかを知らせるためにこしらえたものです。
夜がだんだんあけ放れて、東の空が白みはじめる。もうよっぽど前から起きて働いていた小母さんが、外が明るくなったのでフッと電燈を消した。
コツコツまだ人通りのない道の上を歩いて、長い棒をかついだ婦人点燈夫が街燈の灯を消して行く。
日は窓々をひろく照らすようになって、サア、家々の掃除が始った。工場へ行くために、役所へつとめに出るためにせっせと顔を洗う。服を着る。もう往来は朝の勤めに出る女や男でいっぱいになって来た。
家の中でも!
工場の機械の間にも!
役所の机の前にも!
ここにもあすこにも、働く女を今日の世の中で見ないところは無い。どこででも女は男と並んで勇ましく働いている。
だが、注意! 注意
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