ピンはねてばっかしいて! 家へひっこみナ!」と叱ってはいけない、ナワ飛びが好きなのは、女の子の体の組立てがその運動を必要とするからなのです。ナワ飛びの邪魔をしてはいけない!
いつかナワ飛びもしなくなると、そろそろ女の子の体が女らしくなって来ます。乳房の形がついて来る。腰が張ってふっくりして来る。そして女の一生に誰しも忘れない時機――月経の始まるときになる。
どうして月経が起るかというと、見なさい。女の腹の中に右と左と二つの「卵巣」がある、そこで一月に一つずつの肉眼では見えない卵細胞が育つ。それが体の外へ排出されるとき月経が起り、「子宮」の内壁から出血するのです。
この時期は、婦人にとって大切な時です。足をピチャピチャにぬらして風邪を引いたりしないように!
ひどく揺れる自動車にのったり、馬にのったり、水浴びをしたり馴れない労働をしてはいけない!
いい加減な手当をしてはいけない! きっちりと丁字帯をあてなさい!
昔の人や、未開な国では女の子に月経があるようになると、もう大人になったシルシという。そして嫁にやったりする。どんな子が生れるかというと、恐ろしい! まるで蛙の子のように
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