エルホリド劇場で上演された。
ソヴェトの五ヵ年計画の実現につれて、工場の労働者の間に、生産能率増進のウダールニクが組織された。共産青年《コムソモール》男女を中心として、党員でない積極的分子が自発的にあつまった。
生産の現場で、こういうウダールニクが社会主義建設のために行った階級的なたたかいは、五ヵ年計画ときりはなせない歴史的事実だ。ベズィメンスキーは或る電車製作工場内で、組織されたばかりのウダールニクが経験した闘争、犠牲、勝利を、詩劇にした。
この演出をやったのは、メイエルホリド自身ではない。ザイチコフ、コジコフ、その他二三人の共同だ。
いつものメイエルホリド自身の演出から見ると、ずっとリアリスティックで、荒けずりの重さがあり、革命劇場と似た舞台の印象だった。詩劇だから、科白は詩だが、この「射撃」に出演したメイエルホリド劇場の若手の俳優たちが、モスクワ芸術座の俳優のように鮮明な発音で朗読法をこなすまでには、大分時間がかかるという感じだった。
詩劇として、ベズィメンスキーのこの制作は、ソヴェトのプロレタリア文学の問題として各方面で問題にされた。
マヤコフスキーとは別な意味で、
前へ
次へ
全55ページ中51ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング