と同じかい?
――人民文化委員会の芸術部が、その年の予算の中から、劇場のためにはいくら金を使うかという予算をたてる。各劇場にその予算がわりあてられる。それでやって行くんだ。――余談だが、ソヴェトでは、全露作家団体連盟に対しても、作家の技術と生活改善のために人民文化委員会芸術部が巨額な補助予算をもっているよ。画家だって、社会組織が違うから昨今の日本みたいに大小ブルジョアが小遣緊縮しはじめたおかげで閉口するようなことはない。これも、やっぱり人民文化委員会が調整して、やって行く。
――いやに窮屈みたいじゃないか。計画。計画。それに、誰だったかやっぱりソヴェトへ行って来た人が云っていたよ、ソヴェトの映画でも芝居でも、宣伝ばっかりで面白くもなんともない。一つ二つ見りゃうんざりだって。大体、お前はソヴェトびいきすぎるよ。悪口を云ったためしがないじゃないか。本当のところを云えよ! つまらないかい? 事実。――
――そりゃ数のなかだもの、つまらないんだって、ばからしいのだってあるさ。功績ある共産党の中にだって一人一人見ればいやな奴がいるのと同じこった。
だがね。つまらない、下らないというのも
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