備を十分利用し、ドシドシ新らしいプロレタリア文化を高めて行くのはどうしても若い連中だ。自主的なこういう文化活動がどんな価値高いものであるかということは革命後十四年目の今日、ソヴェト文壇の新進作家達が殆ど皆、勤労大衆の中から出た労農通信員、それでなければコムソモール出の人々であるのを見ても判る。こういう人達の作品は題材に於いて非常にきっちり大衆の社会主義的建設と結び付いているばかりじゃない。作家自身が従来の所謂プロレタリア作家とは較べものにはならない純粋プロレタリア的な要素をもって生れ育って来ているのだ。絵画の方でも一つの例として独習者画家団と云うのがあるが、主として職場の若い男女だ。毎年一度か、二度、展覧会を開く。絵の方は演劇、文学に較べるとずっと発達が遅れている。文学に於ける有望な新しい作家が勤労大衆の中から出て来るようには若い画家が出て来ないが、それでも展覧会などを見ると内容的にコレチャロフなどが逆立ちしたって捕えられないものをつかまえている。将来興味ある発達の芽がある。知られている通りソヴェト同盟の学校――色んな専門芸術学校、労働科、農村青年のための学校――は生産のために働く工場
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