であった工場内の文学研究会――それは一日七時間労働で、五日週間故に五日に一度位――を生産経済計画の線に依って芸術的に、大衆的に発育させようとする努力が非常に活溌にはじめられている。そして工場新聞、壁新聞を通じて芸術と生産とをしっかり結びつくように、プロレタリアイデオロギーとして一層活溌に文学研究会員が指導する。五ヵ年計画で各地には大工場が新設されたし、集団農場も各地に非常に盛んに新設されて、作家がそう云う場所に、芸術団体、或は雑誌新聞から派遣されて、そこで実際の建設事業を見て、労働者の生活に触れて、その印象、記録、報告などを書かせる。それが新しい作家の分野になり、一つの新しい報告文学と云うようなものが出初めている。それは新しい作家を導き出すいいことだし、勉強にもなっている。共産党青年で有望な若い人がたくさんにその辺からも出ている。現在、最も活動している作家の一人にファデーエフなどあるが、彼は共産党員でプロレタリア作家連盟の指導者である。[#地付き]〔一九三〇年十一月〕
底本:「宮本百合子全集 第九巻」新日本出版社
1980(昭和55)年9月20日初版発行
1986(昭
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