はしがき(『文芸評論集』)
宮本百合子

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 この文芸評論集には、ごく最近に書かれた数篇と、いくらかさかのぼって一九四五年の十二月ごろから書かれた数篇とがあつめられている。おしまいに別に収録されているバルザック、ジイドに関したものは、それよりもっと古く一九三七年ごろ書かれたものである。「歌声よ おこれ」から「一九四六年の文壇」「政治と作家の現実」「バルザックに対する評価」「バルザックについてのノート」などは一九四七年八月に出版された文学評論集『歌声よ おこれ』にあつめられていたものである。「一九四七年の文壇」「両輪」「世紀の分別」「三年たった今日」などは、はじめてこの本に集められた。
「三年たった今日」日本の民主化がどのように複雑困難な過程を辿っているかということを、文化、文学の課題としてとりあげている。平和とファシズム反対のためには、すべての正直な人民が働くものと作家とをとわず、戦争挑発と愚民的な文化、文学政策に対してどういう決意をもって行動
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