いかと思う程無茶苦茶に成って仕舞って、陰気な様子でせっせと動いて居るお久美さんを罪も無いのに当り散らしたり故意と引きかぶった様子をして一日長火鉢の傍へ、へばり付いて居たりした。
 一日一日と立つに連れて贔屓目《ひいきめ》で見て居るお関にも重三の足りないのが目に余って来るので、自分の夫、周囲の人全体を偽って其那子を連れ出して来た罪が皆自分一人に報いられて来る様な気がして居た。
 今の内なら理屈の付かない事もないから帰して仕舞う方も好いかと思ったりしたけれ共、切角斯うやって運が向いて、阿母さん阿母さんと呼ばれて一緒に暮して居られるものを無理にそうも出来兼ねてお関は今までに覚えた事のない程気の弱い日を送った。
 重三の嫁の事等は勿論お関の念頭に無かった。
 村の者等が話の次手に、
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「それで何ですか、
 お久美さんとでも御一緒になさるお積りなんですか。
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と云い等すると、
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「いいえね、
 お久美はお久美で彼れには彼で別に何ぞ似合いの人が有ったら御世話願おうとも思ってますんですが、
 何ですか一向どうも。
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と云っては居たけれ共、お関には重三一人の事でさえ荷にあまって居るのだから其の嫁どころの騒ぎではなかった。
 今更仕過ぎたと思わないではなかった。
 重三は山田の主人と一緒に至極大揚に構えて居た。
 傍の者が自分を何と批評仕様が仕まいが、まるで介わずに、自分は自分だと云う様にのろのろと洗場で恭に云いつけられた用事を気が利かなく足しては嘲笑れたり、悪口を云われたりして居た。
 何を云っても笑ってばかり居るので、恭は愚にも付かない事に叱ったりして、お関に対する腹立ちを此の重三を通して療して居た。
 荒れた畑地を耕して麦粥を啜って居た今までに比べれば重三は今の境遇に充分満足して居た。
 僅か許りの水を汲んだり火を燃したりする丈で三度の物は好きな丈食べられ、鼻もひっかけられない様だった自分が兎に角、来る者から、
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「重三さん、御精が出ますね。
「重三さん、お暇が有ったらお茶でもあがりに行らっしゃってはどうです。
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と云われる事は真に気持が好かった。
 只、自分がお関の実の子だと云う事の出来ないのは何となし不都合な事の様では有ったけれ共、それと
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