れている文章の中では、はっきりと明日の、より幸福の約束された社会をつくるための、男女の新しい社会的協力としての面からとり上げられている。「異性の間の友情」の中で最も中心的に語られたのは、この協力の課題であった。けれどもあの時には人々の心にそれは特殊なものとしてうけ取られていた。
今日新しい社会的な環境の中で、両性の協力ということを友情や、恋愛の感情の基本にあるものとして、一般がとり上げ初めたこと、そして私もその角度から率直に、話せるようになって来た事。このことを考えただけでも、日本の社会が絶大な犠牲を払って歩み初めた今日の意味はどんなに深いかが分る。
一九四七年七月十八日
[#地付き]〔一九四七年十一月〕
底本:「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社
1981(昭和56)年5月30日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第2版第1刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十五巻」河出書房
1953(昭和28)年1月発行
初出:「幸福について」雄鶏社
1947(昭和22)年11月発行
入力:柴田卓治
校正:磐余彦
2004年2月15日作成
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