あとがき(『宮本百合子選集』第十五巻)
宮本百合子
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【テキスト中に現れる記号について】
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(例)解決のめど[#「めど」に傍点]もないように思える
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ここには、一九三二年の一月の創刊で、日本プロレタリア文化連盟から出版されていた『働く婦人』に書いた短いものからはじまって、一九四一年(太平洋戦争のはじまった年)の一月執筆禁止をうけるまで婦人のために書いた感想、評論、伝記、書評など四十篇が集められている。一九三二年から四〇年いっぱいといえば八年の年月だが、その間には一九三八年(昭和十三年)から翌年の初夏までつづいた作品の発表禁止の期間がはさまり、通算六百日ばかりの拘禁生活の期間がある。ここに集められている評論、伝記は主として一九三七年(昭和十二年)一九三九、四〇年にかかれたものが多い。
こんにち、日本の人民生活全体のおかれている悪条件は、もっともきびしい形で女性の生活に反映している。しかも、苦しいことは、若い少女の感情を不安定にし、荒びさせている社会悪の諸条件は、家庭の妻に、働く婦人のすべてに、未亡人をふくむすべての母の
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