三四年八月十七日から半月の間モスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]で「五十二の民族、五十二の言葉、五十二の文学」を一堂にあつめて第一回全ソヴェト同盟作家大会が行われた。そのとき、フランスからロマン・ロラン、バルビュス、マルローその他の作家が招待された。招待された作家たちの全部が出席することは出来なかったらしいけれども、この大会が与えた文化の守りについての深い感動と認識にたって、翌る年の一九三五年六月にパリで第一回文化擁護国際作家大会がひらかれた。この大会には、ドイツ、イタリア、日本をのぞいて、中国その他各国から代表的な進歩的作家が集った。そして「文化遺産」「社会における作家の役割」「個人」「ヒューマニズム」「民族と文化」「創作上の諸問題と思想の尊厳」「組織の問題」「文化の擁護」の諸課題について討論されたのであった。
 第二回の文化擁護国際作家大会は、一九三七年十月、内乱のスペインに開かれた。この大会は、フランコのファシズム政権に反対してたたかっているスペインの共和政府の所在地バレンシアに第一日の集会をひらき、のちマドリッド、バルセロナと移って、十日間つづいた。
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