のことは竹内てるよさんの生活と作品との関係を見ても誰にも分ることだし、『諸国の天女』をよめば、詩というものは不幸のなかに在ってその人をくずおれさせないばかりか、不幸をへらそうとする人間の不断の向上の努力そのものの表現であり得ることさえ理解されるのである。
 永瀬さんが益々詩想をすこやかにゆたかにして、時流の観念化に押しながされず、安易な象徴にかがまず「糸針抄」の精神の輝きをいよいよ増して製作されることを祈っている。[#地付き]〔一九四〇年十月〕



底本:「宮本百合子全集 第十二巻」新日本出版社
   1980(昭和55)年4月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
親本:「宮本百合子全集 第八巻」河出書房
   1952(昭和27)年10月発行
初出:「新女苑」
   1940(昭和15)年10月号
入力:柴田卓治
校正:松永正敏
2003年2月13日作成
青空文庫作成ファイル:
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