わせていない。なるほど アメリカへ行けばまことに正しい合理的この上ない仲間入りは出来るだろう。しかしそいつらには品がなくてしょっちゅうドルのことしか頭にないのだ
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〔欄外に〕
スタンダールのアメリカ「赤と黒」
「選挙のために靴やにつべこべするアメリカ」という風
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p.82 しかしおれは味もそっけもないアメリカ人の良識ってやつは大きらいだ。しかし、おれはアルコール橋の戦勝者 若きボナパルト将軍伝の話の方なら血がわきたつのだ。それがおれにはホメロスでもありタッソーでもある。以下 p.83 p.85

p.85 しかし一方民衆におべっかを使うなどということは、おれの力じゃ到底出来ん。アメリカじゃそれが必要だそうだが――

p.86 おれはフランスよりアメリカの方をすきになるわけにはゆかん。おれにとっては金は全部というわけではない。それに、民主主義というやつはあんまり粗野で、おれの感じかたにはたまらないのだ。
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     スタンダールの田舎町観

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 「緑の騎士」
p.73 田舎では階級同志が敵視しあっていて その間には ごく間接的にでさえ全く交渉というものがない。

p.164 田舎にはまだ熱情が存在しているから。――ここにこそ田舎が幸福である所以のものがある。

p.328 田舎というものは なにごとにつけても猫をかぶらなくては生活できないのだから。

p.223 スタンダールの社交界観
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底本:「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社
   1981(昭和56)年5月30日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第2版第1刷発行
初出:同上
入力:柴田卓治
校正:磐余彦
2004年2月15日作成
青空文庫作成ファイル:
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