て歩き出した。が、今の信夫山のあるところまで来ると、ウンザリしてしまって、負うて居た泥をみんなあけた。ら、それが信夫山になって、そのジャイアントは、その山の頂上に腰をかけて、下をはるかにながれて居るあぶくま川で足を洗った。

 ○日本武の尊が、きずを洗った古湯。

 ○穴*の彼方に大変狐が居た。狐火。で汽車がとまった。
 はだかろーそくのような形で又炬火の小さいようなものである。美くしい、ヒラヒラ、ヒラヒラともえて行く。
 小林区の御役人が来るので、待って居ると、それが見える。

     架空索道

(一)[#「(一)」は縦中横]索道は、今から五年前に出来た。
(二)[#「(二)」は縦中横]もいわ、の村から荷を運搬するためで、十二円五十銭ずつの株式組織である。が、今は利益は全然なく、二円五十銭、三円で、一株が売買されることになって居る。
(三)[#「(三)」は縦中横]今のところ廃する問題はないが、こんど改築のときがあやしい位費用だおれになって居る。
もいわ、の鉱山からどしどし鉱石でも出れば、又鉱山の専有にでもなれば有望でないこともない。
(四)[#「(四)」は縦中横]価格のやすいもの
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