「道標」創作メモ
宮本百合子
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【テキスト中に現れる記号について】
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]
〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)〔Madam H Ragondely 18 Rue Auguste−chabru_res 15e〕
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
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再びパリへ
九月十八日 午后六年パリ
十月二十四日 パリを親たち去る
[#パリの手書きの地図(fig15995_01.png)入る]
〔欄外に〕青い手帖「フランス」
九月二十九日夜 三人 モンマルトルの赤馬で食事してかえったら下に速達
板倉鼎 朝六時死
板倉さんに泊る
三十日 夜ペル[#「ル」に「ママ」の注記]ールにかえり入浴 泊る
十月一日 葬式 雨
十月二日 ひどい風 十二時まで眠る
[#ここから5字下げ]
夜八時すぎ板倉見まい
モンパルナスの角でコーヒーをのみマデレーヌからタクシー
[#ここで字下げ終わり]
十月三日雨 Mと衝突した
四日雨 金 フランス語
[#ここから11字下げ]
〔Madam H Ragondely 18 Rue Auguste−chabru_res 15e〕
[#ここから5字下げ]
H来クラマールへ
引こす相談
[#ここで字下げ終わり]
五日 モスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]へ手紙 No. 30 土
[#ここから5字下げ]
ジェネ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]へ二人で、十一時の汽車で立つというのに中途でm[#「m」の左に「52−[#「52−」は縦中横]歳」]気分わるくして、中止、
[#ここから6字下げ]
口先の同情
実に低級な同情を欲する
わめく。そこへ他人が来ると、うってかわって口をきき、ものわかりよくなる。
ものをさせるのが下手
[#ここから7字下げ]
親が病気をしてもちっとも心配しない
私が目がわるくなってから何度ものをよんでくれた
[#ここから5字下げ]
○おかあさま、それぞれの立場でしなくてはならないことをわからせておさせなさいよ」
寿江子の靴下プランタンへ買いにゆく
やぶれたのをはいて
伸子 マッフラー止め二ケ
手帖(青)
スエ子靴下
マデレーヌのうしろの店でトーモロコシを買う8F 四本で
電車でかえる。日没美しい(六時半)〔cafe'〕 を一つのみ
マカロニーつくる。父も工合わるい
スエ子と自分フジへ行ってすきやき
サンミッシェルの角まで歩いて車
コンコードの美しさ
十時ごろはもう消える
夜十一時頃 ホテルモンソーへかえる
[#ここで字下げ終わり]
十月六日 カーテンから朝日この数日ない。
[#ここから7字下げ]
パン、茶をのんだらまた雨
板倉午后三時に。
きょうから一時間くり上げ(Summer time の終りか)
[#ここで字下げ終わり]
十月七日 クラマールにきまる
[#ここから7字下げ]
フランス語
去年八月から仕事をしていないことを考えておそろしくなった。
[#ここから5字下げ]
mコンコードで会い
チュレリーへ行って家のこと話していると太鼓
黄金狂時代(チャップリンの)を見るつもり、だめで Volga Volga ステンカラージンが女を海へすてるところ
すこしのブドー酒、少しの光線、多くのタンサン瓦斯で、中学生になる、
自分も大してコッケイを感じず、おかしい。
ペレールによって左右田喜一郎の話
ペレールへ泊った。
[#ここで字下げ終わり]
十月二十四日 親たち帰国、
十月八日 おきると雨
[#ここから8字下げ]
雨ね、おとうさま
――ああ。だまっているんだ。また問題がおこるから。
[#ここから6字下げ]
十時の汽車に父母のせ(ジェネ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82])
[#ここから7字下げ]
トロカデロまでかえって Hotel へ行ったら Note がおいている スミ子プランタンへ行ってしまった。
いそいで、おっかける 子供部でカンゴ婦と一緒のを見つけ買いものすまして、カンゴ婦をかえし、車へのせてかえし、自分たち(寿)マデレーヌの角から Tax
パリからモスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]へ打った電報が南米をまわったとは!
[#ここで字下げ終わり]
九日 また雨(水)
[#ここから6字下げ]
ホテルへ行ってフランス語
一時食事ペレールで
女
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