では弱いということをつくづく知られたらしいが、『働く婦人』を中心として現在ではサークルでも組織していられますか? 何人かがかたまって集団的に取次者をきめて直接購読をしていられますか? 若しまだでしたら、価値ある経験をすぐ今日の実際の中に生かしてゆかれることを希望します。ブルジョア・地主の政府が資本主義経済の行きづまりから死物狂いにファッショ化して来ている現在の日本で、プロレタリアの唯一の文化的武器である、プロレタリア出版物を支持し、その配布組織を敵から守って拡大強化してゆくことはわれわれに課せられて決してなおざりに出来ない階級的任務なのです。
 文化連盟及『働く婦人』の基金募集応募のことは異議あろう筈はありません。例えば、『働く婦人』にしろ、実に困難な経済の中から苦心して発行しているのです。あなたがまとまって寄附なさることが出来れば幸いです。その他あなたのお友達の中で、よしんば纏《まとま》った額を一時に応募することは出来ないにしろ、毎月一円ずつぐらいなら出せるという方でもあれば、すすんで『働く婦人』の維持員になるよう勧誘して下さい。維持員にはなれないが半年分誌代前納で直接購読ならしよう
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