平不満をまとめ、個人の問題を働く婦人として全体の問題と連関させて闘う努力をされなければならないと思います。
就職をどこでするかという問題に答えるのは困難です。若し両親がどうあってもあなたの進もうとする道を妨げるのなら、顔を合わせぬ遠いところで勤めるのもいいでしょう。納得ずくでゆくときと行かぬ時とがある。いつでも納得ずくでなければことが決定されないとなると、ダラ幹式で或場合永久にわれらの主張の通りっこないこともある。その点を考えて行動されたらよいだろうと思います。
[#地付き]〔一九三二年一月―四月〕
底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社
1979(昭和54)年7月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十五巻」河出書房(「病母と弟を抱えて」)
1953(昭和28)年1月発行
「宮本百合子全集 第九巻」河出書房(「病母と弟を抱えて」以外)
1952(昭和27)年8月発行
初出:「働く婦人」
1932(昭和7)年1〜4月号
※『働く婦人』読者からの、身の上相談に対する回答。
※「病母と弟を抱えて」将来、結婚した際、病んだ実母をどうみていけばよいかに悩む女性からの相談。
※「良人と私の思想について」会社員の妻(結婚後四年、二十五歳、子二人)。進歩的な芝居や本にふれると、夫から虐待される。経済的な独立も許されない。大本教信者の夫の兄からは、勧誘される。
※「『働く婦人』を手伝いたいが」雑誌編集手伝いの女性。携わっている『健康』は、反動的。『働く婦人』を手伝いたいのだが。
※「就職のことその他」郵便局在籍時、進歩的な雑誌を購読していたことから、警察の取り調べを受けた。病気で退職した際の退職金から、四十円を文化連盟に寄付したい。電信の技術を生かして、再就職したい。反対する両親と、縁を切ってでも希望を貫くべきか。
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年6月26日作成
青空文庫作成ファイル:
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