らは、いつ浪《なみ》にさらわれるか、ウインチでやられるか、どこで、やられるかわからない危険な労働をしているのに、ボーイ長のように、負傷はさせっ放し、死ねば死にっ放し、というような状態では、とても不安心で、落ちついていられないんだ。それで、僕は、公務疾病、傷害手当規約を本船に作って、それでもって、扶助すべきだと思う。それを諸君に、計りたいんだが。そして、ただ、そんなものを作ってもらいたいと、いうのだけでは役に立たないものを作るだろうから、こっちで二人《ふたり》、向こうで一人《ひとり》の委員を出して、その委員会によって、扶助規則を作るということにしたら、どうだろうと思うのだがね」藤原は言った。
 「そりゃ、ぜひ必要なこった」西沢が言った。
 「しかし、規則の点だが、委員会で、おもての意志が、はたして貫徹するだろうか、僕は、その点に疑いを持つよ」波田が言った。
 「そうだ、だから、こちらから二人、向こうから一人と、いう割合にしといたんだがね」藤原が答えた。
 「そりゃ、形ではそうなるけれども、実際に、その委員会は、ともの一人のために、おもての二人が支配されることに、なりはしないだろうか? も
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