海国の故なり。これらは一夜圧して置けばなるるにより一夜鮓ともいふべくや。東海道を行く人は山北にて鮎の鮓売るを知りたらん、これらこそ夏の季に属すべき者なれ。今の普通の握り鮓ちらし鮓などはまことは雑《ぞう》なるべし。[#地から2字上げ](七月二日)



底本:「墨汁一滴」岩波文庫、岩波書店
   1927(昭和2)年12月15日第1刷発行
   1984(昭和59)年3月16日第15刷改版発行
   1998(平成10)年1月5日第35刷発行
※文意を保つ上で必要と判断した箇所では、JIS X 0208の包摂規準を適用せず、以下のように外字注記しました。
「麻」→「麾−毛」
「摩」→「「麾」の「毛」に代えて「手」」
「磨」→「「麾」の「毛」に代えて「石」」
「魔」→「「麾」の「毛」に代えて「鬼」」
「兎」→「「兎」の「儿」を「兔」のそれのように」
「免」→「「免」の「儿」を「兔」のそれのように」
「塚」→「「土へん+冢」、第3水準1−15−55」
「全」→「入/王」
「愈」→「兪/心」
「祇」→「示+氏」
「逸」→「「二点しんにょう+兔」、第3水準1−92−57」
「寛」→「「寛の「儿」
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