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叩く尾のすりきれもせす石敲き
鶺鴒の飛び石づたひ來りけり
飛ぶさまや尾につらさるゝ石叩き
鶺鴒や岩を凹める尾の力
鶺鴒の尾にはねらるゝ蚯蚓哉
鶺鴒の糞して行くや石佛
ひよい/\と鶺鴒ありく岩ほ哉
【大磯松林舘】
汐風にすがれて鳴くやきり/\す
虫の鳴隅/\暗し石灯籠
※[#「※」は「虫へん+車」、第3水準1−91−55、133−14]の蘆にとびつく襖かな
鶺鴒や欄干はしる瀬田の橋
のイ 五條哉イ
[#「のイ」は「や」の左側に、「五條哉イ」は「瀬田の」の左側に注記するような形で]
鵙啼て秋の日和を定めけり
【大磯千疊敷】
雀ほど鶸鳴きたてゝ山淋し
情なう色のさめたり秋の蝶
澁鮎のさりとて紅葉にもならず
【三嶋社】
ぬかつけは鵯なくやどこてやら
【行脚】
我なりを見かけて鵯のなくらしき
鵯の人をよぶやら山淋し
【範頼の墓に笠をさゝげて】
鶺鴒よこの笠叩くことなかれ
神に灯をあげて戻れば鹿の聲
しづ/\と塒出の鷹や下いさみ
むら/\と雁かねたまる小池哉
澁鮎の岩關落す嵐かな
【古戰場】
螳螂も刀豆の實にくみつくか
秋の蝶動物園をたどりけり
軍艦の帆檣高し渡り鳥
蚯蚓
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