やずんずとのびて藪の上
重イ
筍はまだ根ばかりの太さかな
[#「重イ」は「太」の右側に注記するような形で]
竹の子や隣としらぬはえ處
のせて見て團扇に重しまくわ瓜
ほき/\と筍ならぶすごさ哉
うれしけに犬の走るや麥の秋
麥秋や庄屋の娵の日傘
麥の秋あから/\と日はくれぬ
紫蘇はかり薄紫のあき家哉
冷瓜浪のかしらにほかん/\
なでしこにざうとこけたり竹釣瓶
井戸端に妹が撫し子あれにけり
引はれば沈む蓮のうき葉かな
夏菊や旅人やせる木曾の宿 一作 夏菊や木曾の旅人やせにけり
[#「一作 夏菊や木曾の旅人やせにけり」は「夏菊や旅人やせる木曾の宿」の下にポイントを下げて2行で]
【關原】
誰が魂の梦をさくらん合歡の花
不破の關桑とる女こととはん 春季
苗の色美濃も尾張も一ツかな
清姫か涙の玉や蛇いちご
晝※[#「※」は「白+はち」、第3水準1−14−51、91−14]の眞ツ晝中を開きけり
一本の葵や虻ののぼりおり
鎌倉は村とよばるゝ青葉かな
姫百合に※[#「※」は「「韓」のへん+「礼」のつくり」、92−2]飯こぼす垣根かな
【賀山本氏卒業】
すゝしさイ
うるはしや竹の子竹
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