「※」は「白+はち」、第3水準1−14−51、89−2]に雨のあとなき砂路哉
すてられて又さく花や杜若
藻を刈るや螢はひ出る舟の端 一作 藻を刈てはひでる舟の螢哉
[#「一作 藻を刈てはひでる舟の螢哉」は「藻を刈るや螢はひ出る舟の端」の下にポイントを下げて2行で]
紫陽花や花さき重り垂れ重り
押あけてあぢさいこぼす戸びら哉
あぢさいや一かたまりの露の音
※[#「※」は「さんずい+氣」、第4水準2−79−6、89−8]車道にそふて咲けりけしの花
石菖に雫の白し初月夜
晝※[#「※」は「白+はち」、第3水準1−14−51、89−10]の物干竿を上りけり
萍の茨の枝にかゝりけり
萍に乘てながるゝ小海老哉
萍の心まかせに流れけり
      を如何
[#「を如何」は「に流」の左側に注記するような形で]
萍に思ふことなき早瀬かな
浮草を上へ/\と嵐哉
うき草の月とほりこす流哉
河骨にわりなき莖の太さ哉
玉卷の葛や裏葉のちなみもまだ
河骨の横にながれて咲にけり
白蓮の中に灯ともす青さ哉
紫陽花にあやしき蝶のはなだ哉
あぢさいや神の灯深き竹の奧
花の皆青梅になる若木かな
青梅の落て拾はぬあき家哉

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