箭筒士、侍衛、番士、哨兵、その他軍卒多勢、軍楽隊など。
札木合《ジャムカ》  札荅蘭族《ジャダランぞく》藩公《はんこう》         三十歳
合爾合《カルカ》姫 札木合《ジャムカ》の室          二十歳
台察児《タイチャル》  札木合《ジャムカ》の弟          二十八歳
札荅蘭族《ジャダランぞく》の参謀、合爾合《カルカ》姫の侍女、伝令、支那(金の国)の交易商、その従者、花剌子模《ホラズム》国の回々《ふいふい》教伝道師、札荅蘭《ジャダラン》城下の避難民男女、その他城兵多勢。

    時代
蒙古のいわゆる鼠《ね》の年。わが土御門天皇《つちみかどてんのう》の元久元年。
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   第一幕 第一場

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斡児桓《オルコン》河に沿い、抗愛山脈《こうあいさんみゃく》に分け入らんとする麓。納忽《ナク》の断崖と称する要害の地に築かれたる札荅蘭《ジャダラン》族の山寨《さんさい》。石を積みて、絶壁の上に張り出したる物見台。下手、一段高き石畳の縁には、銃眼のあいた低い堡塁《ほうるい》。堡塁の傍らに、旗竿を立て、黄色の地に、白の半月と赤い星を
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