来ないか。僕は先へ行って待ってる。お前がいま俺に電話を掛けていることは誰も知らないんだから、すぐ、バルテモア・ガレイジへお出でよ。あすこで会おう」
受話機を掛けたジュッドの額には、大粒の汗が列のように流れて、判事も秘書も、余りの気の毒さに、正面に顔を見ることは出来なかった。
ガレイジへ来ると言ったという――。
勇躍したラッセル判事は、何を考えたのか、市第一の葬儀屋、ガス・アルヴァレッツ会社へ電話を掛けて、霊柩自動車を一台、至急バルテモア車庫へ廻わすようにと頼んだ。
「大事な仕事だから、責任のある運転手を寄越して呉れ給え」
ジュッド医師と、判事と、二人きりで、その車庫へ出掛けて行く。そっと窓から外を見ながら、ルウスの来るのを待ったのだが、あれ程興奮した瞬間の連続はなかったという。それはそうだろう。
来た。
「街を歩いて来るのが見えた」ラッセル判事が、後で新聞記者に話した。「まるで、罠を恐れる兎のように、前後左右を見ながら、急ぎ足に来ました。写真で見た通りのルウス・ジュッドでした。とうとう良人を見附けて、にっこりして手を振りました。ジュッド医師は堪らなくなったらしく、駈け出し
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