リイを呼んでいる。
 這入って行って机の前に立つと、テイラア課長は、きらりと輝く眼を上げた。
「アレキサンダア・ホテルへ電話を掛けて、フォニックス地方検事アンドリウスさんに、直ぐ此処へ来るように言って呉れ。今夜、アリゾナへ帰る予定なんだが、直ぐそれを変更して、本署へ来て待つように――」
 待つ――とは、何を?
 見ると、課長は、帽子を被って部屋を出て行こうとしている。記者連の眼が、一斉に集中する。
「何処へ行くんですか」
 起って来て、口ぐちに訊くのだ。
「うん。ちょっと煙草を買いにね」
 ゆったりとした足取りで出て行く課長の後姿に、記者連は騒ぎ立って、
「煙草だと? 何を言やがる!」
「さあ、来た! こうしちゃあ居られねえ!」
「俺達も煙草を買いに出掛けようじゃねえか」
 一度に帽子を掴んで走り出した。
 所謂第六感が、彼等の足を動かすのだ――「アリゾナの女虎」事件に、眼鼻がつきかけて来た!
 一人あとに残されたマデリン・ケリイ秘書は、何か叫び上げ度いような興奮に駆られて、椅子にじっとしていることは出来なかった。


「おい! 見つかったぞ!」
 という電話が、捜査本部へ鳴り響いたの
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