、その言うことは、前の陳述から一歩も出ず、
「私はあなた方以上に、家内を見つけ出し度いと一生懸命なんです」
 と繰り返す許りだった。
 バアトン・マッキンネルも、もう気が違ったようになっていて、矢鱈に部屋中を歩き廻るばかりで、何を訊かれても、返事も出来ない程だった。
 その夜晩く、ダヴィッドスン警部は、フォニックスの一行を案内し、ジュッド医師を連れて死体収容所を訪れた。ジュッド氏は一と眼見て、二つの屍体を識別した。
「サミイはいつも頬紅と口紅を濃くつけていましたので、ちょっと変って見えますが、これに相違ありません」
 羅府とフォニックスと両市の警官が力を合わせて、「アリゾナの女虎狩り」は、今や高潮に達している。
 美人で独身のヘドウィッグ[#「ヘドウィッグ」は底本では「ヘッドウィッグ」]・サミュエルスンは、北ダコタ州、ホワイト・アウスの農夫の娘で、一九二五年に州立マイノット女子師範学校を出たのち、同州ランダ市の小学校に奉職し、そこからモンタナ州、ホワイトホウル小学校へ移って二年後にアラスカのジュノウへ転職したのだった。其処で、このアン・ルロイに逢って、こうして凄惨な死を緒にするようにな
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