撃)、イギリスではチャリス教授(Prof. Challis)が、相前後してその惑星(海王星)を発見したために、この理論的測定については英仏の間に、またその事実的発見については英独の間に、各々その先発見の功を争うことになったが、しかし後に至っていずれも独立の事業であったということが明らかになったのである。なおこの他、数学上にても微分法に関するニュートン、ライブニッツの発明、進化論の基礎となった自然淘汰の原理に関するダルウィン、ウォレースの発見などを始めとし、発見、発明、新説などにして、相前後して現われ、しかも前者後者没交渉なる事例は枚挙するに遑《いとま》ないのである。故に学者は自家独立の研究に因る学説発見などでも、直ちにこれをもって第一創見なりと考えるのは甚だ危険な事である。純然たる独立創見は滅多にないものである。海王星の発見もそれ以前に数学、力学、星学および望遠鏡の製作などが、最早《もはや》海王星を見付けねばならぬ程度にまで進んでおったから、二星学者をして各々独立して同時に同一の推測をなし、同一の発見をなさしめて、二十八億|哩《マイル》以外における空間の物塊を二国の人民が奪い合ったよ
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