Tノ実施ヲ延期スルハ争訟紛乱ヲシテ叢起セシムルモノナリ。
一 法典ノ実施ヲ延期スルハ各人ヲシテ安心立命ノ途ヲ失ハシムルモノナリ。
一 法典ノ実施ヲ延期スルハ国家ノ経済ヲ攪乱スルモノナリ。
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この題目を一|瞥《べつ》して見てもその内容を想像することが出来る。延期論者を呼んで「痴人ナリ」「狂人ナリ」また「国家ヲ賊害スルモノ」といい、その結末に至って、「特《ひと》リ怪ム、是《この》時ニ当リテ敢テ法典ノ実施ニ反抗セントスル者アルヲ、此輩畢竟不法不理ナル慣習ノ下ニ於テ其奸邪曲策ヲ弄セントスル者ノミ、咄《とつ》何等ノ猾徒《かっと》ゾ」と言うておるが如きは、頗る振っている。
さて、右の二つの意見書が両軍対戦における最初の一斉射撃であって、それより双方負けず劣らず多数の意見書、弁駁書等を発して、これを議員、法律家、その他各方面に配附した。梅謙次郎博士、高木豊三博士等の組織せる明法会の会員や、当時はまだ法科大学フランス部の学生であった若槻《わかつき》礼次郎君、荒井賢太郎君、入江|良之《りょうし》君、岡村|司《つかさ》君、織田|萬《よろず》君、安達|峯一郎《みねいちろう》君等、
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