チて家界の単位とし、身分に応じて二ランス・ショット、三ランス・ショットという如く、次第にその乗数を増すのであって、国王の宮殿の家界は六十四ランス・ショットであったという。国際法の領海の測定法を弾着距離(Canon−shot)を基準としておったのと、全く同一観念であることは、深く説明を要せぬところであって、両々対比し来って、無限の興趣を覚えるのである。
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 九一 断食居催促


 アイルランドの古法センカス・モア(Senchus Mor)に拠れば、債務不履行の場合には、債権者は催告(Notice)に次いで財産の差押(Distress)を行うことが許されておった。しかし債務者が高位の人であるか、または目上の人である場合には、直ちにその家に踏み込んで差押を行うのは、余り穏かならぬ次第でもあり、また実行し難い事情もあろう。かくの如き場合に対して、センカス・モアは断食居催促(Fasting upon him)なる奇法を設けている。即ち、債権者は債務者の門前に座を占めて居催促をなし、債務が弁済されるか、担保が提供されるまでは、一塊の麺麭《パン》、一杯の水をも口にしないで、餓死を待つ
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